日本財団と瀬戸内4県による包括的海洋ごみ対策プロジェクト「瀬戸内オーシャンズX」が、トップ会合を初めて開催。実施期間を2027年まで延長し、さらに強化して取り組むことを、2024年4月15日に発表しました。
2020年12月に発足した「瀬戸内オーシャンズX」は、日本財団と岡山県、広島県、香川県、愛媛県が共同で推進。「調査研究」、「企業・地域連携」、「啓発・教育・行動」、「政策形成」という4つの柱を軸に、海洋ごみの実態調査やアクセス困難な場所での一斉清掃など多岐に渡る活動を行い、1年間あたりで26トンもの海洋ごみを回収してきました。しかし、海洋ごみを減少へと転じさせるには、さらに毎年60トンの回収が必要と、これまでの活動からわかりました。
そこで、この日、日本財団と4県の知事が会合を実施。当初は2024年度末までだった実施期間を2027年度末までと3年間延長すること、さらに今後の目標として、未回収も含めた86トンの海洋ごみを毎年回収、4県合同での大規模清掃を行うなどの内容に合意し、それらが発表されました。日本財団の笹川陽平会長は「日本全国のモデルケースになるどころか世界のモデルになるように、瀬戸内オーシャンズXをしていこう」と意気込みを語りました。また、愛媛県の中村時広知事は「瀬戸内オーシャンズXが4県と共同して延長することになり、本当に嬉しく思う」、岡山県の伊原木隆太知事は「体感的には急速に川ごみ対策や海ごみ対策が進んでいると多くの県民が実感している」、香川県の池田豊人知事は「漂着ごみの状況を継続的に調査しているが、瀬戸内オーシャンズXが始まった2020年から顕著に(海洋ごみが)減ってきている」、広島県の湯﨑英彦知事は「瀬戸内オーシャンズX期間延長に伴い、今後は回収・処理に加えて流出防止対策を強力に進めていきたい」など、4県の知事も感想や成果、県内での対策などについて話しました。今後の取り組みについて、日本財団の海野光行常務理事は「(4県合同での大規模清掃といった)フラッグシッププロジェクトのようなものを、来年以降はつくり上げていきたい。それによって一般市民を巻き込んでいく。また、離島など一般市民によるごみ拾いが危険な場所では、“プロボノ(専門職によるボランティア)”の皆さんにも協力してもらう。さらには、人材育成も合わせてやっていくことが鍵になると考えている」と、活動をより強化して進めていく考えだと述べています。