岡山県笠岡市の干潟で子ども達が放流したのが、2億年前から存在し、「生きた化石」と呼ばれるカブトガニの幼生(子ども)。
岡山県にある笠岡市立カブトガニ博物館では、2017年7月22日、育てた500匹のカブトガニの幼生を、子ども達と干潟へ放流するイベントを行った。実は、かつて笠岡のカブトガニは絶滅寸前だった。しかし、笠岡の人達のこういった活動が、今、笠岡に多くのカブトガニが生息するきっかけへと繋がったのだ。
もともと笠岡には、10万匹以上のカブトガニがいたと言われている。しかし、生息地である干潟は埋め立てがしやすく、昭和41年、農業用地のために大規模な干拓事業が行われた。その結果、カブトガニを見ることが出来なくなってしまった。
そこで、カブトガニ博物館では、絶滅を食い止めようと、平成7年から保護活動を開始。漁師の網にかかったカブトガニの保護や施設で育てた幼生の放流を行った。その放流は、なんと21年間で約7万匹にもなるという。
そういった努力の結果、笠岡の海にカブトガニが復活。現在、繁殖地である神島水道の一帯では、多くの幼生を確認することが出来る。
私達と海は、笠岡のカブトガニのように、共に暮らす道をもっと模索するべきなのではないだろうか?
素材提供:日本財団「海と日本プロジェクトin岡山」
協力:山陽放送株式会社