香川県の宇多津町や丸亀市、坂出市など複数の市町を流れる大束川で、大規模な清掃活動が2023年6月4日に行われました。海洋ごみのおよそ8割は陸から発生したもので、川や水路をつたって流れ出ると言われています。そこで、瀬戸内海の海ごみゼロを目指し、日本財団と香川県、岡山県、広島県、愛媛県が協同して推進している「瀬戸内オーシャンズX」の一環として、今回ボートレースまるがめ(丸亀市)からの寄付により、日本財団と香川県が取り組みを実施しました。
全国的にも類を見ない試みとなったのが、2キロもの区間で川の水を抜いたこと。河岸は立ち入りが難しく、草にひっかかったごみが放置されるといった課題があると言います。また、多くの川はいくつもの地域にまたがって流れ、さまざまな自治体や団体が関係しています。今回は関係者が手を取り合い、水門や農業用水路などを活用して水位を下げ、河岸や川の底でもごみ拾いを行えるようにしたのです。この日、漁業関係者や農業関係者、地元自治体、消防団、ボートレース関係者、小中学校のボランティアなど約350人が参加し、2トンものごみを回収しました。参加した中学生は「陶器とかまだ使えそうなものがいっぱい沈んでいました。自覚なくたくさん捨てているのだなと気づいたので、今後は意識しながら生活しようと思います」と話しています。香川県の池田豊人知事は「ごみ問題に対しての意識がもう一段高くなったと思う。非常に意義ある活動になった」と振り返りました。また、日本財団の海野光行常務理事は「権利関係や利権の問題、タイミングの問題で、なかなかごみの清掃がうまくなっていない地域にも香川のモデルを共有したい。スムースなごみ収集活動ができるようにこれからも瀬戸内オーシャンズXから発信できたら」と今後の展望について話しています。