伝統文化

カンパネラ漁師もいた!二刀流や意外過ぎる前職の漁師~日本全国ギャップのある漁師①青森・岩手・佐賀~

日本にはおよそ13万人の漁業就業者がいて、各地でさまざまな漁師が活躍中です。その中には、意外過ぎる経歴を持つ人や驚きの活動をしている人がいます。そのひとりが、海苔の生産量日本一を誇る有明海で海苔漁師をしている徳永義昭さんです。徳永さんは、高校卒業後に漁師となり、この道40年以上ですが、実は意外過ぎるもうひとつの顔があります。それがピアニストです。10年ほど前、人気ピアニストのフジコ・ヘミングさんの演奏に衝撃を受け、ピアノを始めたそう。今では独学でマスターした超難曲「ラ・カンパネラ」を弾きこなすほどの腕前で、演奏依頼も舞い込んでいます。なんと憧れのフジコ・ヘミングさんのコンサートで前座を務めたこともあります。「ピアノを弾き始めた時は、毎日8時間以上は練習していた。漁師で培った『がんばる力』『忍耐力』『忍耐の継続』がピアノに活かせたと思う」と徳永さんは語っています。

一方、青森県には、前職が意外な漁師がいます。それが日本初のクロマグロ遊漁船の女性船長で、本州最北端の海女だという浜子さんです。そんな彼女の前職は、なんと保育士です。漁師になったキッカケについて浜子さんは「子ども達の魚離れがすごくてビックリした。その問題を解決していけるのは、第一次生産者ではないかと考え、漁師になろうと思った」と語っています。漁師となって5年ほどとなった今では、Twitterでの情報発信のほか、漁師仲間と一緒に魚フェアなどを通して漁業界を盛り上げようと取り組んでいます。

さらに、岩手県にも、とあるギャップを持つ漁師がいます。それが大槌町で暮らす中本健太さんです。埼玉県出身の中本さんは、東京大学大学院博士課程中の2015年に、海洋研究センターがある大槌町に移住。しかし、持病が原因で研究の道を断念。その後、漁師の手伝いをしたことがキッカケで、2021年に漁師となりました。一方、陸にあがると違う一面があり、実は東京に本社を置く会社でアプリエンジニアとしても働いているのです。漁師とエンジニアを兼業している中本さんには夢があると言います。「漁師だけが持っている知識があるはず。そういったものをインターネットなどで発信したり、養殖業で必要なセンサーを開発するなどしていきたい」。

年々、漁業就業者が減る日本。担い手を増やすためには、ギャップのある漁師がヒントになるかもしれません。

素材提供:日本財団「海と日本プロジェクトin青森県」 「海と日本プロジェクトin岩手」 「海と日本プロジェクトin佐賀」
協力:株式会社青森テレビ 株式会社IBC岩手放送 株式会社サガテレビ

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