東京・麴町で展示イベント「海の生きもの地球ミュージアム2022」が、2022年8月20日から開催されています。これはNPO法人ELPが主催し、日本財団「海と日本プロジェクト」が助成しています。ELP代表の竹村眞一さんは、イベントのねらいについて「実は陸と海と人間世界が複雑に絡み合いながら、豊かな地球をつくってくれている。それがビジュアルでわかるように、地球儀と映像とパネルの展示を行い、色んな角度からクローズアップしていきたかった」と話します。
展示物のひとつは、世界初のデジタル地球儀「SPHERE(スフィア)」です。球体ディスプレイに、雲の動きや台風の発生状況、マグロの回遊ルート、数億年の大陸移動に至るまで地球の過去・現在・未来を映しだす最先端の地球儀となっています。イベントでは、地球儀を使って「海」をテーマにした「地球教室」も開催。講師を務める竹村さんが「海があるおかげで生命が育まれ、それと同時に気温が安定して過ごしやすい。また、日本に上陸した台風をよく見てみると、台風が通った後の海は温度が下がっている。台風がかき混ぜてくれることで、温まり過ぎた海を冷やしている。さらに、同時に海の深いところにある栄養分ももたらしてくれて魚が増える。災いと恵みは表裏一体」など、さまざまな視点から海と地球について講義をしています。そのほかにも、NHKの人気番組「ダーウィンが来た!」劇場版の上映も行うなど、さまざまな角度から海の豊かさと危うさを伝えています。その意義について竹村さんは「もっと深い次元で、地球との共生を考えないといけない段階に入ってきている。そういうことをポストSDGsの柱として、我々もつくっていきたいし、それを表現するSPHEREというメディアも進化させていきたいし、これを子ども達の世界に広げていきたい」と語っています。
海の魅力を地球目線で見つけられるこのイベントは、2022年8月31日まで開催中。夏休みの自由研究がまだの子どもは行ってみるといいかもしれません。