生態系

子ども達に北海道の海の魅力を~海を未来へと引き継ぐ者たち②「海と日本プロジェクトinガッチャンコ北海道」と「オホーツクタワー・村井克詞」~

日本財団が推進している「海と日本プロジェクト」は、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくために、2016年から全国各地で様々な活動を行っています。人と海をガッチャンコして、海と共生するムーブメントを起こすことを目的に活動している「海と日本プロジェクト in ガッチャンコ北海道」では、海に携わる人への取材やオリジナルイベントなどを実施。イベントでは、北海道内の小学生を対象に、サマーキャンプのような形式で、昆布やホタテなど北海道ならではの海を学ぶ内容を行っています。その中で、最も印象に残っているのは「参加する子ども達」だと、ガッチャンコ北海道の実行委員を務める北海道放送の山崎直樹さんは言います。「子どもの海離れが叫ばれているが、海に入って実際に体験した瞬間に笑顔になる」と振り返っています。そのイベントでは、子ども達に楽しく学んでもらうために講師を招いていますが、山崎さんによると「これまで取り上げてきた取材対象者にイベントをサポートしてもらっている」と言います。

そのサポーターのひとりが、オホーツクタワーの研究員・村井克詞さんです。紋別市にあるオホーツクタワーは、世界初の氷海海中展望塔で、観光と研究という2つの性格を持ちます。観光では、迫力満点の4Dシアターやオホーツクの生き物の展示などが行われ、また、水深7.5mの世界も見ることができます。研究では、毎朝、海洋観測器を水深10mまで下ろし、水温・塩分・酸素量などを25年間記録し続けています。村井さんは、そういった活動を行いつつ、今後は新たに海体験の機会を増やしていきたいそうで、「最近の子ども達は、なかなか海に親しむ機会がないと感じている。そこで、紋別の“紋”に“キッズ”をかけた“モンキッズ”を企画している。オホーツクタワーはもちろん、ホワイトビーチという人工海浜、ガリンコ号という他にはない船を持っているという強みもあるため、総合的な体験メニューを開発できると考えている。それによって、紋別で学んだり、環境の意識を深めたりという取り組みを提供したい」と抱負を語っています。そして、その体験を通して、紋別の海を知ってほしいと言います。「紋別の海は、北半球で凍る海としては南限の海で、流氷の好感度センサーでもあり、温暖化の好感度センサーでもある。この海が凍らなくなるというのは、地球環境において重要なインパクトになるため、この海が凍ることも大切だということに気づいてもらいたい」。

また、ガッチャンコ北海道も、海に関わる人達と共に、新たな活動に取り組もうとしています。山崎さんは「北海道は、日本海、オホーツク海、太平洋と3つの海があるが、北海道民でもそれぞれの海を見たことがない人が多くいると思う。また、知らないこともたくさんあると思う。私自身も『鮭は白身』だと最近初めて知った。そこで、私達の情報発信を通して追体験してもらいたい。また、海に携わる方を多く取材してきたので、今後は水族館のような施設とコラボして、そういった方々の話を一か所で聞いたり体験できるような常設の取り組みを実現させたいと考えている」と、さらなる活動に意欲を燃やしています。

素材提供:日本財団「海と日本プロジェクトinガッチャンコ北海道
協力:北海道放送株式会社

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