マダイやブリなどの養殖が盛んな熊本県の牛深地域。しかし、流木などの漂流ごみが養殖イカダの網を傷めたり、船のスクリューを壊したりしている。天草市牛深地区海域環境保全協議会の会長・平山千一さん(養殖業)は、「(流木などの漂流ごみは)漁業者にとっては厄介物。だから誰かが回収しないと常に流れている」と語る。
そこで、牛深町では、海中の漂流ごみを回収する活動が行われている。回収しているのは、官民一体の組織「天草市牛深地区海域環境保全協議会」。もともとは、養殖業者が中心となって、海の環境を守る組織をつくり、ごみの回収を始めた。2012年から定期的に続け、その後、国や自治体の協力を得て海洋環境整備船「海煌」との連携も開始。この協力作業の結果、漂流ごみの処理量は2015年からの1年間で8トンも減少した。平山会長は「海の環境を守っていくことが私たちの使命だと思う」と話す。
豊富な海の幸を生み出す牛深の海を守るため、官民一体となった取り組みは続く。
素材提供:日本財団「海と日本プロジェクトinくまもと」
協力:熊本朝日放送株式会社