岩手県立宮古水産高校の海洋技術科が、海や川に漂着したプラスチックごみの調査を行っています。この高校は1895年創立で、水産高校として日本有数の歴史を誇ります。プラスチックごみの調査は2018年からで、黒澤長教諭が、ある海のへの気づきから始めたそうです。「海を見たらクラゲのようなものが浮いていて、それをよく調べてみたらナイロン袋だった。このまま放っておいていいのかなと思って」と黒澤教諭は話します。
調査で特に着目しているのが、大きさが5mm以下のマイクロプラスチックです。マイクロプラスチックは、世界中で問題視されていて、生物が体内に取り込むこともあることから生態系への影響が懸念されています。調査方法は、プランクトンをとるためのネットで海面と海底付近から採取した海水をビンにつめ、そして、顕微鏡を使い、プラスチックごみを探します。宮古市神林地区で2019年6月に行った調査では、空のペットボトルやマイクロプラスチックを発見しました。これまで17カ所の調査地点のうち、7カ所でマイクロプラスチックが検出されたと言います。さらに、マイクロプラスチックだけでなく、海岸に漂着した大きなプラスチックも数や種類を調べて仕分けしています。海洋技術科の佐々木伴豊くんは「魚とか海が汚くなったりしてダメになってしまうので、今から対策などしていきたい」と話しています。
そんな高校生たちが始めたプラスチックごみ調査の反響は大きく、岩手県の水産科学館では、初の展示会も開かれました。館長の伊東隆司さんは「私たち、それから市民が知らないことが出てきたことにビックリしている」と語っています。
水産技術科では、今後も調査は続け、さらに、調査結果を広めてもいくそうです。
高校生たちの行動が、海を守る大きな取り組みのキッカケとなる日が来るかもしれません。
素材提供:日本財団「海と日本プロジェクトin岩手」
協力:株式会社IBC岩手放送