和歌山県田辺市の沖合にある沖ノ島。
この周辺には、テーブルサンゴという種類のサンゴが広がっている。これは、サンゴ礁ほど規模が大きくはないサンゴ群集というもので、サンゴ群集としては世界で最も北の地域にある。
ところが、地元のダイバーによると、このサンゴが、北に広がっているという。実際に、国立環境研究所の調査によると、日本のサンゴ礁の面積が、最速で年に14kmずつ北上しているデータもある。その理由は、黒潮の影響や地球温暖化の可能性があると言われている。
そんなサンゴの環境の変化は、私達にも影響を与えるかもしれない。サンゴは、小さな魚の隠れ家になっている。そのため、サンゴが移動したり、無くなったりすると、サンゴを中心とした生態系そのものが失われてしまう。
その結果、水産物の水揚にも影響する可能性があるという。環境省 田辺自然保護官事務所の自然保護官・高橋優人さんは、「海の1℃の上昇はすごく影響が大きくて、魚の獲れる量にも影響は出るというのは間違いないです。そのため、将来的には、我々の食べている魚の分布がどんどん変わっていくことで、私達の生活も変わっていく可能性があります」と話す。
素材提供:日本財団「海と日本プロジェクトin和歌山」
協力:株式会社 テレビ和歌山