2009年に琵琶湖で初めて発見された「オオバナミズキンバイ」。
一見、可憐な黄色い花をつけるが、
実は北米原産で、国内では特定外来水生植物に指定されている。
今、この駆除が地元の悩みの種になっている。
琵琶湖博物館の中井克樹学芸員はその生態について
「まず、繁殖力が非常に旺盛でどんどん広がってしまう。私達は再生力と呼んでいるが、葉や茎の断片からでも、流れ着いた先で根をおろして、新しく広がっていく」と話す。
2013年は75,000㎡だった最大生育面積は3年でおよそ4倍の270,000㎡以上に繁殖。
甲子園球場7個分が湖面を覆う計算だ。
繁殖によって琵琶湖の水質浄化を担うヨシなどの在来種が駆逐されるほか、
漁網や船のスクリューに絡みつくなど、様々な悪影響が出ているという。
これを食い止めようと、滋賀県は重機や人海戦術での刈取りなどを行っているが、
駆除に加えて焼却費用もかさみ、その額は3億3,000万円に上っている。
そんな中、有効な活用についての研究も始まっている。
長浜バイオ大学の学生グループ、NPO法人国際ボランティア学生協会IVUSAは
オオバナミズキンバイからバイオエタノールを抽出、
さらに、抽出後の残りかすを肥料に転用する研究を始めた。
厄介者からバイオ燃料を取り出し、さらに肥料に変えられないかというアイデアだ。
研究メンバーの1人で、駆除活動にも参加している同大2年の佐藤美奈さんは
「除去するにもお金がかかっている現状があり、プラスの利益にすることが出来たら、
少しは改善されていくのではないかと思っています」と語る。
琵琶湖を覆う外来植物。若い世代も交え、対策が続いている。
素材提供:日本財団 海と日本プロジェクトin滋賀県
協力:びわ湖放送株式会社