新鮮な海の幸が並ぶ輪島の朝市。
この朝市は千年以上の歴史を誇り、朝市通りは石川県・奥能登を代表する観光スポットになっている。しかし、この朝市に異変が起きているという。
代々、輪島で海産物加工販売を行っている海士屋文四郎の十一代目・大積美也子さんによると、「昔獲れていたものが、今獲れないというものもあります。ウニとか。(また、)天然の海苔とかだとずっと量が減っていますね」と話す。実際に、名物のモズクの水揚高は8年前353トンほどだったのが、現在では約34トンと10分の1ほどに落ち込んでしまっている。
その原因の1つが、海水温の上昇だという。
世界平均がプラス0.53℃なのに対して、能登沖はプラス1.28℃から1.70℃と、なんと世界平均のおよそ3倍も上昇している。
また、海水の性質も変化しつつある。
それによって現在では想像できない影響を及ぼす可能性があるという。
20年に渡って海水を調べている能登町の「のと海洋ふれあいセンター」によると、徐々に海水が酸性化してきているという。この海水の酸性化が進むと、サザエなどの貝が貝殻をつくりにくくなり生育に影響が出るという研究結果が出ている。
そんな酸性化の原因は、二酸化炭素の増加。
海水には空気が溶け込む。そのため、大気中の二酸化炭素が増大していくと、海水に溶け込む量も増え続け、酸性化に繋がる。
能登の海の環境変化は、伝統の朝市に表れていた。
素材提供:日本財団「海と日本プロジェクトinいしかわ」
協力:石川テレビ放送株式会社