庄内地方の冬の風物詩・ハタハタ。
その漁獲量は、乱獲などが原因となり激減。しかし、資源管理や保全活動の効果もあり、近年は回復してきている。とはいえ、またハタハタが減るかもしれない。
そこで、卵を産める環境をつくろうと取り組んでいるのが、みなと研究会の守屋元志さん。守屋さんは、およそ10年前から産卵場所づくりを実施。これまでは、バッティングセンターのネットをリサイクルして設置していた。その後、2016年から始めたのが、シートベルトでの産卵場所づくり。材質的には同じだろうと思い、研究を始めたそう。シートベルトは廃車からのリサイクルで、そのまま使うのではなく、折り曲げ、ミシンで縫うことで海藻に似せる。また、ハタハタなどが興味を示すのではないかと考え、杉の葉を入れる工夫もしている。その効果は実際に出ていて、調査をしてみると、多くのハタハタの卵があったという。さらに、「これを食べに今度魚が寄ってくるわけです」と守屋さんは語る。産卵場所としてだけでなく、稚魚の隠れ場や成育の場所、海中林にもなるという。
そんな守屋さんの目標とは、「小魚たちの遊園地となる環境も構築できればなと」と語る。ハタハタのため、シートベルトの産卵場所がさらに発展させることを考えている。
素材提供:日本財団「海と日本プロジェクトin山形」
協力:株式会社 テレビユー山形