生態系

北海道固有の魚・シシャモを守れ 資源回復の取り組み

北海道の名物、シシャモ。
実はシシャモは、世界中で北海道の太平洋沿岸の一部でしか獲れない貴重な魚。そんなシシャモに最近、異変が起きている。かつては水揚高が100トンから200トンほどだったが、ここ4年は50トン以下に減っている。ただ、減少の原因は、ハッキリしていないという。

そんな中、北の海の恵みを回復させようと、漁業関係者を中心に様々な取り組みを行っている。その中でも新しい挑戦が、シシャモの人工増殖。これは、産卵のために川へと戻ってきたシシャモを捕獲。そして、受精させた上で、卵や子どもの状態で川に戻すというもの。しかし、台風の影響などによる川の増水や海水温の上昇によって、川に戻ってくる時期が変わってしまうなど、捕獲する数が安定しないという。

そこで、それをカバーするために、さらなる最新の試みが行われている。それが、産卵間近のシシャモを海で捕獲するというもの。産卵で川に戻ってくる寸前のシシャモを海で捕獲し、孵化場に運ぶ。そして、時間をかけて海水から淡水に切り替え、産卵させる。
ただ、この方法は、新しいがゆえに課題もあるという。北海道栽培漁業振興公社 間協議呪物の部長・新居久也さんによると、「獲っても、すぐ産卵する群れにあたるかどうかというのがひとつの課題です」と話す。成熟していない群れを獲ってしまった場合、半分ぐらい死んでしまうという。その一方で、新居さんは、「川にのぼる寸前のものをいかに捕えるかという部分さえ克服すれば、海の方が獲りやすいですね」と語る。

北海道固有の貴重な魚シシャモ。これからも味わえるようにし続けるため、努力が続けられていく。

素材提供:日本財団「海と日本プロジェクトinガッチャンコ北海道」
協力:北海道放送株式会社

ad_pc_551

関連記事

  1. 生態系

    池の水を抜くと豊かな海になる

    兵庫県・淡路島で行われているのが、かいぼり。これは、年に1…

  2. 生態系

    絶品グルメは海のやっかい者~鹿児島・“桜島の火山灰”で地域の特産品に変えろ~

    近年、鹿児島湾の姶良市沿岸では、繁殖期の夏場になると、大群とな…

おすすめ記事

  1. 海の生態系を支えるアマモの復活

最近の記事

  1. 「落語×海洋問題」で学んだ成果を高校生が披露!最優秀賞はどの…
  2. 世界初!自動運航システム搭載の旅客船が商用運航スタート──「…
  3. 中学生記者が造船所や操船シミュレーターに感動!──海運・港湾…
  4. 史上初の2大会連続優勝を達成!高校生ごみ拾い日本一を決める「…
  5. 海水で溶けてマイクロプラスチックがゼロ!CO₂も出さない「海…
PAGE TOP