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スーパーなどの商品棚はここまで進化!「棚前サイネージ」とは──タッチパネルで進むデジタル接客に次なる可能性は生成AI!?【後編】

●スーパーなどの商品棚で年間約20万台を提供!「棚前サイネージ」とは?

駅や街中など、さまざまな場所で見かけるようになったデジタルサイネージ。大きな画面に広告や情報が映し出されるものをイメージする人も多いかもしれません。しかし、スーパーやドラッグストアの商品棚に目を向けると、そこにも小さなサイネージが置かれています。インパクトホールディングスグループでは年間約20万台を提供しているといい、その特徴は、商品を選ぶまさにその場所に設置される“棚前サイネージ”。「私たちの取り扱うサイネージは、電子POPと呼ばれることもあって、とにかく棚前、購買時点のもう一歩を後押しするためのものです」と説明するのは、株式会社impact mirAI 取締役の櫻田和秀さん。街中にある大型のデジタル広告とは異なり、商品の認知を高めたり、特徴や使い方を伝えたりして、店頭で商品を選ぶ人の買い物をサポートするのが棚前サイネージです。棚前専用ならではの機能もあり、センサーを使って商品棚の前にいる買い物客の注意を引く仕組みなども取り入れられています。

ただ、商品棚の前で情報を届けるためには、大きなハードルもあります。それが「見てもらえる時間の短さ」です。櫻田さんは「サイネージを見てくれる時間は、残念ながら2秒ぐらい。非常に短い。なので最初の2秒が勝負」と話します。そこで、動画冒頭の2秒では、足を止めてもらえるような内容を意識し、その後に伝えたいメッセージを短く入れていくなど、映像の作り方にも工夫を凝らしているといいます。私たちが商品を選ぶわずかな時間にも、情報を届けるための工夫が詰め込まれているのです。

●約30年前に世界初の商品化!推奨販売をデジタルで補う発想から生まれた電子POP

こうした商品棚に置くサイネージを、インパクトホールディングスグループでは、約30年前に世界で初めて商品化したといいます。その背景にあったのが、店頭で行われていた試食販売や推奨販売でした。

当時は、商品を勧めるために販売スタッフが店頭に立つことが一般的でした。一方、機械であれば、同じ内容を安定して繰り返し伝えることができます。そこで、販売スタッフが担っていた商品説明や推奨販売の一部を、店頭の画面を使って行おうという発想から電子POPが始まったと櫻田さんは説明します。商品の存在を知ってもらったり、新商品の特徴や使い方を伝えたりすることで、買い物客の選択を後押しする。こうした役割を担ってきた棚前サイネージですが、現在では単なる販促のための装置にとどまらず、リアル店舗が抱える課題の解決にも活用されるようになっています。

●店員の商品案内をセルフ化|タッチパネル式サイネージで人手不足を支援

そのひとつが、人手不足への対応です。櫻田さんが分かりやすい例として挙げたのが、タッチパネル式のサイネージ。画面を操作すると、買い物客の悩みや目的に合わせておすすめの商品を案内する仕組みです。「今までは店員さんが直接やっていたものをセルフで案内できるという意味で、人手不足に貢献できると思います」

前編で紹介した「ラウンダー」も、人手不足や膨大な情報量を抱えるリアル店舗の売り場を「人」の力で支える存在でした。一方、棚前サイネージでは、これまで店員が行っていた商品案内の一部をデジタルによって補うことができます。さらに、サイネージの使い方は店舗や客層によってさまざまです。例えば3つの画面を並べたタイプでは、英語・中国語・韓国語で同じ内容を表示し、訪日外国人客への情報提供に活用できるといいます。

●商品棚が一方向の販促から「双方向」へ|タッチパネルや顔認識で進むマーケティング活用

インターネット通信販売などの普及によって、店舗へ足を運ぶ人が減りつつあることも、リアル店舗が抱える課題のひとつだと櫻田さんは考えています。便利なネット通販が当たり前になる中、実際に店舗へ行くからこそ得られる買い物体験をどう高めていくのか。その変化に合わせて、棚前サイネージの役割も進化してきました。櫻田さんがその変化を表す言葉として挙げたのが、「ワンウェイのプロモーションから、双方向のコミュニケーションへ」です。従来のように同じ映像を一方的に流すだけではなく、タッチパネルを通じて買い物客の興味や関心に合わせた情報を届ける。さらに、顔認識などの技術を使って、どの映像がどれくらい見られたのか、どの年代や性別に反応があったのかといった情報をマーケティングデータとして取り込み、次の施策に生かす取り組みも進んでいるといいます。

●次なる可能性は生成AI|見る人や天気、季節で商品の「魅せ方」が変わる未来

では、棚前サイネージはこの先、どこまで進化していくのでしょうか。櫻田さんが「次の可能性」として挙げるのが、生成AIの活用です。「まるでその場でジャズセッションのように、即興的にその目の前の買い物客に合わせたコミュニケーションを、サイネージという媒体を使ってできたら、こんなに面白いことはない」といいます。例えば同じ商品の特徴を伝える場合でも、見る人によって表現を変えたり、その日の天気や季節によって言い方を変えたりする。さらに櫻田さんは、将来的には動画コンテンツ自体をその場に合わせて即興的につくる可能性もあると考えています。見る人や天気、季節などに合わせて、同じ商品でも「魅せ方」がその場で変わっていく。そんな売り場が実現すれば、商品棚は決められた情報を繰り返す場所から、一人ひとりに合わせてコミュニケーションする場所へと変わっていくのかもしれません。

ネット通販が当たり前となる中でも、私たちが何気なく訪れているスーパーやドラッグストアの商品棚では、「人」と「デジタル」、それぞれの力を生かしながら買い物体験をより良くするための工夫が続いています。実店舗での買い物にも、日々、隠れたイノベーションが起きているのです。

※動画内にはAIで生成したイメージ映像を複数使用しています。

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