ソーシャルビジネス

ボランティア依存の社会課題解決を“経済”に変える。ワールドエッグスが実践する「共感・社会言語・経済」の設計図【前編】

●なぜ社会課題への取り組みは継続しないのか?日本企業が直面する「本業との分断」という壁

少子高齢化などによる人手不足やプラスチックごみ問題など、世の中にはさまざまな社会課題があります。社会とつながる企業にとって、こうした課題に取り組むことは重要な意味を持ちます。しかし一方で、日本ではその多くが本業とは別の「社会貢献」という枠内に留まるケースが少なくありません。こうした中、「企業の社会貢献活動」に対して新しい方向性を示そうとしているのが、株式会社ワールドエッグスです。

●「共感・社会言語・経済」が鍵。ボランティア依存の限界を突破するワールドエッグスの独自手法

「社会テーマと言われているものは、ただの見出しでしかない。共感がデザインされていない」と語るのは、ワールドエッグスの波房克典 代表取締役です。「地球温暖化という社会テーマを強烈に刷り込みながら、産官学一体となって行動変容を国家的に動かしていく。それがクールビズだったと思う。旧来のビジネスマナーを壊して、軽装を正解として振る舞う。そういった自分が変わっていく変容体験のようなことをみんなでしていった」と話すように、今では当たり前となったクールビズをつくり出した波房氏が率いるワールドエッグス。この会社では、水難事故を防止する取り組みなど、海に関する社会課題解決に長く向き合ってきました。その中で重要視していたキーワードが3つあるといいます。そのひとつが「共感」です。「灯台・昔話・食、いずれもどうやったらそのテーマが多くの人に共感してもらえるかを設計してきた」と振り返っているように、航路標識としてだけではなく、文化・観光といった新たな価値で輝きはじめている灯台の利活用を後押ししている海と灯台プロジェクトをはじめ、海ノ民話のまちプロジェクト、海のごちそうプロジェクトなどで「共感」を設計してきたといいます。その共感を得るために必要な2つ目が「社会言語化」。「言語が社会に流布して、“社会言語”になっていくことが大事だと思う。育児をする男性がカッコよくあるべきだということに、“イクメン”という言葉が与えられた途端に『そうだ、そうだ』と独り歩きする。推し活も同じ」と波房氏が話すように、言葉が社会に広がることで、人々の行動が変わり、新たな市場や文化が生まれる構造が、社会課題解決にも必要だといいます。そして、3つ目が「経済圏をつくる」こと。「経済合理性が合わないと判断された瞬間に、どれだけ大事な活動でも予算がつかない。結果として、すべてボランティアに依存してしまう」と波房氏。それでは継続的に活動することは難しくなってしまいます。

●社会課題を“ビジネスとして回す”には?ボランティア依存から脱却する新しい仕組み

社会課題の解決には「共感」を設計し、「社会言語」をつくって、「経済を回す」ことが重要で、ワールドエッグスはこれまでの経験からその仕組みをつくり、提供しています。現在は、この考え方をさらに発展させた「ソーシャルIP」という概念の普及に積極的で、2026年2月18日には、「ソーシャルIPフォーラム」を開催しました。

後編に続く

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