●古典芸能“落語”×環境教育の融合!笑いで伝える新しい海の学び
東京・渋谷で「高校生うみ落語コンテスト」が、2025年12月14日に行われました。このイベントは、落語の笑いを通じて海の課題をわかりやすく伝えていこうというもので、一般社団法人うみ落語協会が開催。同協会の代表理事で落語家の立川こしらさんは「落語というちょっと古臭い古典芸能を通して、海の課題をハードルが低くなるように伝えていければと思っている」と「海×落語」の意義を語っています。
●サンマ・海ごみ・サンゴなど落語とプレゼンの2本立てで海の課題を発信
同協会は、日本財団「海と日本プロジェクト」の一環として、「海の落語プロジェクト」を2017年から実施。全国各地で出前授業などを行ってきました。そして今年、はじめての試みとして「高校生落語プログラム」を開催しました。参加した10人の高校生は、落語コースと海洋コースとで2人1組のチームを結成。5チームは、三遊亭朝橘さん、吉原馬雀さん、柳亭信楽さん、桃月庵白浪さん、立川かしめさんというプロの落語家に加え、環境科学者の井手迫義和さん指導のもと、およそ半年間“落語”と“海洋問題”について学んできました。この日行われたコンテストは、プログラムの集大成。落語コースの生徒が一席披露したあと、海洋コースの生徒が噺のネタとなった海の課題をプレゼンテーション。各チームは、海洋ごみ問題、サンゴ、今年話題となったサンマといった課題を観客と審査員に楽しく・熱く伝えました。
●マイクロプラスチックを噺に──最優秀賞に輝いた高校生の気づき
その結果、最優秀賞に輝いたのは栗木家海者(しーしゃ)さんと河合優佳さんのチーム。ふたりは“マイクロプラスチック”を題材に海の環境問題を伝えました。栗木家さんは「ほかの人の発表も聴いて、自分の知らない問題ばかりだったので、もっと興味が高まった機会だった」と振り返っています。河合さんは「(海と落語のように)掛け合わせたら良いものになると学んだので、いろんな物事を掛け合わせていきたい」と、今回の経験を今後に活かしていきたいと意気込んでいました。
海の課題を笑いに変える「うみ落語」。高校生たちの熱演に大きな拍手が送られた1日でした。




