東京・六本木で「第二回 国際海洋環境デザイン会議」が、2023年9月30日から行われています。このイベントは、海の可能性や魅力、深刻化する海洋問題などを「デザイン」から知り、考えるというもの。海洋教育とデザインを融合しながら実践的なプログラムを提供している一般社団法人3710Lab(みなとラボ)と、海と日本プロジェクトをはじめ、さまざまな海にまつわる事業を展開している日本財団が共同で開催しています。
3月の初回に続き、2回目となった今回のテーマは「OCEAN BLINDNESS ―私たちは海を知らない―」。開催初日には、日本財団の海野常務理事が登壇し、3710Labのディレクター・佐藤久美子さんとトークセッションを実施。海の魅力や課題、デザインとのつながりなどについて話し合いました。また、グッドデザイン賞の審査委員長を長年務めた経歴を持ち、世界各国の有名ブランドのデザインなどを手掛けるデザイナー・深澤直人さんによる公開ワークショップも開催。参加者たちは、海について考え、デザインしてきた作品を発表しました。例えば、デザイナーの青沼成美さんは「海の色」に注目。富嶽三十六景をモチーフにしつつ、海の色を緑色にした作品をつくり、プレゼンしました。そして、深澤さんと「青は綺麗なのに緑はなぜ汚いのか」といった意見を交わしました。会場には、このワークショップでつくられた作品も展示されています。そのほかにも、海洋環境デザインのパネル展示や自らが海になり感覚を取り入れる体感型の展示も行われています。海とデザインについて海野常務理事は「デザイナーには、どういう形で社会課題を解決していくのかという視点を頭の片隅に入れてもらいたい。そうすることで、一般の方々への波及効果が高いと気づいてもらいたい。また、海はまだ何もわかっていない。そういった部分では、デザイナーが活躍する余地や可能性が無限にあるので、海の世界にドンドン入ってきてもらい、デザインをつくっていって欲しい」と語っています。
「第二回 国際海洋環境デザイン会議」は、六本木のアクシスギャラリーにて10月9日まで行われています。