高校生ごみ拾い日本一を決める『日本財団「海と日本プロジェクト」スポGOMI甲子園2021』の決勝大会が12月26日に行われました。スポGOMIとは、ごみ拾いにスポーツのエッセンスを加えた日本発祥の競技です。スポGOMI甲子園は高校生による全国大会で、日本財団が推進する海洋ごみ対策プロジェクト「海と日本プロジェクト・CHANGE FOR THE BLUE」の一環として開催されています。この日は、北は北海道、南は沖縄県まで地区予選を勝ち抜いた全国30エリアの代表チーム、そして、昨年リモート部門で優勝したチームの計31チームが出場しました。
「チェンジ・フォー・ザ・ブルー!」の掛け声とともに、ごみ拾いチャンピオンを決める戦いがスタート。スポGOMIは、3人1組のチームで、60分間ごみを拾い、ポイントを競い合うもの。そのポイントはごみの量と質から算出されます。そのため、体力だけではなく、どのごみを重視して拾うかといった知力も必要になります。さらに、この大会ならではの特徴が「オリジナルアイテム」です。自作したごみ拾いグッズがポイントに加算されるため、多くのチームが工夫を凝らしたごみ箱やトングなどをつくり、効率的にごみ拾いを行いました。
激戦の結果、オリジナルアイテム賞を受賞したのは、鹿児島県代表の「あいちゃん劇団」です。自作したオリジナルアイテムは、いらなくなった洋服を再利用してつくったごみ袋で、クラスメイトから洋服を提供してもらったりしたそうです。また、このチームの特徴がコスプレです。介護福祉士を目指している彼女たちは、普段から小学校などで介護福祉をテーマに劇を披露していて、福祉の素晴らしさを伝えるために、その衣装で大会に臨んだと言います。日本財団の海洋事業部 海洋環境チームリーダー・宇田川貴康さんは「鹿児島のチームのようにメッセージが込められたアイテムなど、全体的にオリジナルアイテムがレベルアップしていた」と話しています。そして、あいちゃん劇団は今後の活動について「私達が通う龍桜高校では定期的に全校ボランティアという地域でのごみ拾いや学校をキレイにする行事があるので、今日の経験を後輩たちに繋ぎたい」と語りました。
そして、栄えある優勝に輝いたのは、愛媛県代表の「BIG WESTベーカリー」です。このチームは、10kg以上ものごみを拾い、唯一2000を超えるポイントを獲得しました。「自動販売機の横に多くのビンや缶が不法投棄されていて、それを重点的に集めた」と勝因について語っています。今後については「スポGOMI甲子園でのごみ拾いだけでなく、日頃からごみを出さない、道端にあるごみを拾うといった身近な環境も大切にしていきたい」と話しています。
今までで最大規模となったスポGOMI甲子園について、宇田川さんは「この取組みが海洋プラスチックごみ問題を考えるキッカケになって欲しい」と言います。また、日本スポGOMI連盟の代表・馬見塚健一さんは「スポGOMI甲子園は、自分たちの住んでいるエリアのごみと向き合う唯一のキッカケだと思っている。その中で、競い合うということがコミュニケーションが生まれるキッカケになっているので、みんなで海洋ごみ問題に対してアクションを起こそうという活動に繋がればと思う」と語っています。