「海のキッズサポーター全国プレゼン大会」が、2021年10月3日に都内で初開催されました。海のキッズサポーターとは、未来に向かって海を守っていく活動をしている全国の小学4年生から中学生を認定したもので、日本財団が推進する「海と日本プロジェクト」の一環として行われています。
この日は、全国から厳選された優秀なキッズが活動を発表。東京都の鈴木瑛梨花さんは「海洋プラスチックの80%以上が陸から来たものです。プラごみを海に流してしまったのは、陸でプラスチックを使った私であり、あなたなのです。私にもあなたにも出来ることがあります」と、世界で問題となっている「海洋プラスチック問題」というテーマでプレゼン。そのほかにも、「サケの一生と食物連鎖」や「おいしい海の生き物が育つ錦江湾の魅力」など、子ども達が様々な内容を発表しました。
そして、最優秀賞に選ばれたのは、「俺たちとカニの2190日~Crab Kingdom~」というカニの研究を発表した「あいおいカニカニブラザーズ」こと大角一尋さん、涼斗さん兄弟です。兵庫県に住む中学生の兄弟がカニの研究を始めたのは2015年からで、身近な相生湾周辺に個性的でかっこいいカニが棲んでいることを知り、観察・研究し続けてきました。研究は細部に渡り、例えば、「コメツキガニは食事の際に砂団子をつくるが、1分間に何個つくるのか。また、その団子を切るのは右手なのか左手なのか」と話しているように「カニの利き手」を調べたほか、「カニの嫌いな食べ物を探す実験」や「カニに毛穴はあるのか」など、気になったことを徹底解明しています。その結果、今までに79種類のカニを発見。その中には、兵庫県で初発見となったフジテガニもいます。そのフジテガニなどの調査結果は日本甲殻類学会で発表し、特別奨励賞を受賞しました。さらに、これまでに調べた結果は、1冊の「カニ大百科」にまとめています。
プレゼン大会では、そういった活動内容に加え、「海好きの仲間を増やそうと活動を始め、干潟の観察会で講師を担当し、第2の僕たちを育てています」と、次なるアクションを起こしていることも発表。「カニへの情熱が周りの人達を巻き込む可能性を秘めている」と、審査員は最優秀賞に選ばれた理由を話しています。審査委員のひとりである日本財団の常務理事・海野光行さんは、海のキッズサポーターの今後について「子ども達の周りを巻き込む力を伸ばしてあげたい。そして、大人になった時に、ワールドレベルでその力を使ってもらいたいという意図があってのプロジェクトだと思っている。そのため、今後もたくさんの子どもに参加してもらいたい」と言います。そして、カニカニブラザーズは将来について「カニ大百科を発売すること、カニの研究者になることが夢」と話しています。
素材提供:日本財団「海と日本プロジェクトinひょうご」
協力:株式会社サンテレビジョン