三重県の鈴鹿中学校の生徒たちが、2014年に起ち上げたのが海洋環境保全団体「Save the Ocean Men」、通称「SOM」です。代表の落合真弘さんを中心に約50人の有志が、海洋ごみ問題に取り組んでいます。定期的に地元の海岸を清掃しているほか、海の生き物ロボットを使った研究を実施。研究内容は、海洋ごみに苦しんでいる海の生き物に似せたロボットを使って保全活動をすれば、海洋ごみに対する人々の意識が高まるのではないかというものです。2017年には、その研究で、海・水産分野・水環境に関わる研究を行う中高生を応援する「日本財団マリンチャレンジプログラム関西大会」に出場しました。当時は「ロボットをつくるというのが第一の目標になっていた。環境イベントなどでの保全活動はできなかった」と落合さんが話しているように、まだ研究の段階で、マリンチャレンジプログラムでも地区大会の出場どまりでした。
しかし、高校3年生となった今では、アカウミガメやイルカ、スズキなどリアルに再現したロボットを使い、幼稚園などで環境教育活動を行っています。そうして活動の質を高めていった結果、2019年には、エコ活動をする高校生のためのコンテスト「イオン エコワングランプリ」の普及・啓発部門で内閣総理大臣賞とベストプレゼンテーション賞を受賞するまでに成長したのです。落合さんは「今までの活動は、ただスゴイねと言われるだけだったが、受賞してからは、想いや考えを認めてもらえた感じがする」と語っています。
落合さんなど2021年3月で高校卒業となるメンバーもいますが、今後も活動を続けていきたいと言います。江藤奏さんは「環境活動に行った時に、子ども達が『海に行ったことない』とか『数回しかない』と言っていたので、もっとキレイな海をつくっていきたい」と話しています。また、落合さんは、さらなる歩みを進めるべく「これから大学生になるので、それぞれが学んでいくものを取り入れ、活動の質を上げていきたい」と今後の目標を語っています。
素材提供:日本財団「海と日本プロジェクトin三重県」
協力:三重テレビ放送株式会社