生態系

国が認めた伝統建築“舟屋”が残る街の悩み

「海の祇園祭」と呼ばれている伊根祭り。
毎年7月に京都・伊根町で開催されている。そんな伊根町では、日常生活から伝統行事まで全て海と繋がっている。「初めて見たら奇跡の村と言うんですかね、そういうイメージを持つんだそう」と伊根浦舟屋群等保存会の会長・永浜貢さんは、魅力を語る。

その象徴が、江戸中期には存在したと言われる舟屋。舟屋は、海に面した1階部分が漁船のガレージ、そして、2階部分が物置や居住空間となっている伝統家屋。伊根湾は、外海との出入り口に浮かぶ青島が、天然の防波堤の役割を果たしている。そのため、絶好の漁場として、古くから漁師街として栄えてきた。そんな伊根湾には、今もおよそ230軒もの舟屋が建ち並んでいるのだ。その景観は、「伊根浦舟屋群」として、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている。

しかし、そんな伝統的な漁師街に、ある悩みが。伊根浦舟屋群等保存会の副会長・八木鈴子さんは、「舟屋の中に入っている船が少なくなった」と嘆く。少子高齢化の波が押し寄せ、伝統的な漁業の後継者不足に悩まされているのだ。そこで、伊根町では、様々な取り組みを行っている。例えば、若者向けの独身寮のような住宅をつくるなど、他県からの移住を受け入れる態勢を整えているという。

今も残る舟屋のように、常に海と共に暮らしてきた伊根町。その伝統を後世に残していくために、株式会社 橋本水産の代表取締役・橋本弘さんは、「舟屋の魅力って家の前に漁船があったりとか、漁師さんの生活が見えてそれが本物の景色になるんです。だから、地元の人に漁師さんの成り手がないのであれば、やりたい方は全国たくさんいらっしゃると思うので、どんどんIターンなどを受け入れていくのがいいと思います。その受け入れ態勢を整えていくことが伊根の魅力を維持できる手段じゃないかと思っています」と語る。

素材提供:日本財団「海と日本プロジェクトin京都」
協力:株式会社京都放送

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