●全国の海の民話をアニメ化!銀座で完成披露イベント開催
銀座 蔦屋書店で「海ノ民話のまちプロジェクト」によるイベントが、2025年3月29日に開催されました。このプロジェクトは、日本財団「海と日本プロジェクト」の一環として、全国各地に残された海にまつわる民話をアニメ化し未来へとつないでいく活動を実施。2024年度は25本を制作し、この日はその完成披露イベントが行われました。
●THE ALFEE高見沢さんが明かした民話が音楽になるまでの制作秘話
トークショーには、THE ALFEEのリーダーで神話や歴史をテーマにした小説も手掛ける高見沢俊彦さん、民謡研究家の佐藤千春さんがゲストとして登壇。日本財団の常務理事・海野光行さんと3つのテーマをもとにトークを繰り広げました。『民話の魅力と背景を学ぶ「海ノ民話とは?」』というテーマでは、お気に入りの海ノ民話アニメなどについて語られ、佐藤さんは青森県青森市の海ノ民話「善知鳥安方(うとうやすかた)」について「水車を踏むシーンが印象的でした。そういった暮らしの知恵や工夫などは文献だけだとわかりにくいこともありますが、アニメになることで直感的に伝わりやすい」とその魅力について熱く語っていました。また、『海ノ民話アニメーションの活用と未来「どう伝え、どう活かすか?」』というテーマでは、高見沢さんが「各地の民話を調べて、自分が気に入った民話から歌詞を書いて曲をつくっていた」と明かし、当時のノートを持参。そして、北海道・乙部町に伝わる海の民話をもとに書き下ろした歌詞を「昔むかし…、北の岬はその日も海が荒れていました。長い旅に病んだカモメが羽を休めに舞い降りました。そして、カモメは若い漁師に拾われ、恋が芽生えました。(中略)夜が明け、朝が来る。波も風も止み、空も澄んで、二羽のカモメが大空へと楽し気に飛んでいった」と朗読して披露しました。
●声優パフォーマンス&クイズ大会で大盛況!
トークショーの後には上映会も実施。今年度に制作されたアニメが上映されたほか、海ノ民話アニメの声優をつとめる冨田泰代さんによる生アフレコや、海ノ民話にまつわるクイズ大会も行われ、大盛り上がりでイベントは終了しました。上映会に参加した子どもは「奇想天外なアイデアで海に潜ろうとしたところが面白かった」と大満足だったようです。
●「現代の民話」を未来へ!海ノ民話のまちプロジェクトの新展開
今までに92本もの民話をアニメ化してきた海ノ民話のまちプロジェクトの今後について、海野さんは「今の時代の民話もあり得ると思う。これを深掘りして、どういう現代の民話がつくれるのか、次世代につないでいけるのかを研究していきたい」と展望を述べています。また、その現代の民話をつくるために、「海ノ民話学ジャーナル」を創刊予定など、さらに活動を広げていくそうです。
全ての海ノ民話アニメは、公式YouTubeチャンネルなどで観ることができます。